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ずっとずっとあなたが好きだから
だからお願い
今日も来年もその次の年も………
Birthday Present
〜君が望むあたたかな贈り物〜
帰って来てすぐの家はいつもならひんやりと身にしみるのに
今日はなんだかあったかい。
突然の出来事への驚きと喜びに、自分が思っている以上に興奮しているみたいだ。
だって
あんなにも欲しかった言葉を
まさか直接言ってくれるなんて夢にも思わなかったから
買って来た一つのケーキを二人で仲良く食べ終わった後
気持ちも少しは落ち着いて
流れる時間の速い中で、出来るだけ沢山の言葉と愛を交わす。
「今日来るって言ってくれれば良かったのに」
淹れたばかりの紅茶を飲みながら、隣でコーヒーに手を伸ばそうとするディアッカに言った。
「そりゃあ、ミリィを驚かせたかったから」
だからって…
「その所為でディアッカの身体が冷え切っちゃったじゃない。
軍の人間がそれで風邪でもひいたらどうするのよ?」
少し怒った風な口調で言ってみれば、彼の腕が私の腰に回される。
「何、心配してくれてんの?大丈夫だよ、こうやってミリィにあっためてもらうから」
そう言いながら私の腰に回した腕を私ごと引き寄せるディアッカ。
ディアッカの腕の中はいつもあたたかくて、これ程までに落ち着くと感じてしまうのは、
おそらく私くらいのものじゃないかと思う。
これじゃあ温まるのはディアッカじゃなくて私だなぁなんて考えながら、
今日は半日以上寂しい思いをしたからか、いつもよりも少し素直に、大人しくディアッカに抱き締められていた。
「……ミリィ」
しばらくそうしていると、ディアッカが何だか切り出しにくそうにしながら私の名前を呼んだ。
「ディアッカ?」
ディアッカの声色を不思議に思って、彼の胸に埋めていた顔を持ち上げ、彼の瞳を下からのぞく。
彼の視線が忙しなく何もないところを行ったり来たりしていた。
「あのさ、ミリィ…俺…」
「何よ?はっきりしなさいよ」
もどかしさに若干苛立つ。
「あー…その…、ごめんミリィ」
「…え?」
潔く言葉を発したディアッカだけれど、謝られるようなことをされた覚えはない。
「実はさ、誕生日プレゼント…何あげたらいいのか判んなくて、結局まだ用意できてないんだよな…
その…1日遅れちまうけどさ、…ミリィ、何か欲しいもんある?」
「……ディアッカ……」
まさか…こんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
だって私は忙しい合間を縫ってディアッカが会いに来てくれたことだけで十分嬉しい。
こうして一緒に時間を過ごせていることが幸せ。
ディアッカのぬくもりと息遣いを直に感じられる。その事が私を安心させる。
本当は今日、祝ってもらえなかったことよりも、彼からの連絡がきていないことが寂しかった。
今日に限らなくたって、連絡のない日はひどく不安になる。
何故なら端末の履歴に彼の名前があることは、
少なくともディアッカが生きているという証になるから。
「…何も…いらないわよ…」
「…ミリィ?」
「だって…あんたが来てくれただけでもう十分だから」
「や、嬉しいけど…俺は本当に来ただけだしさ?」
ディアッカは少し困ったような顔をした。
でも本当に、私には彼と会える事以上に嬉しいことなんてない。
それでももっと我儘を言っていいのだというのなら
会ってしまえばたちまち欲張りになってしまう私を許してくれる?
“おめでとう”の一言があればいいなんて───
前言撤回。
「あのねディアッカ……お願いが、あるの…」
「ん?何でも言ってみな?」
「…二つ約束をしてほしいの」
ディアッカが優しい笑みを湛えて静かに頷いたから、
もしかしたら私は今、泣きそうな顔なのかもしれない。
「お願い…今日も、来年も、再来年も、その次の年も、ずっとずっと…
私の誕生日は、ディアッカが無事に私と会える日でいて………?」
私に会いに来れるくらいに、ディアッカには無事でいて欲しい。
だから
あなたが無事でいてくれることと
私に会いに来てくれること
この二つを私に誓って。
どうか
大きくなりすぎたあなたの存在を感じさせて。
せめて
私がこの世に初めて存在したこの日だけは。
ディアッカの目が見開かれて、私の視線とぶつかった。
「………参ったなー……」
紫の瞳は小さく逸らされる。
口元には手が添えられ、表情が読みとれない。
それでも褐色の肌にはあまり目立たないけれど、頬が赤く染まっている。
私の頭を肩に押しつけて、ディアッカは私の視界の端っこへ。
頭に置かれた彼の手はそのまま私の髪を梳きながら、
「…了ー解」
私の耳元でかすかに聞こえた愛しい声を聞き逃すはずもなく。
次の瞬間には私の目は再び紫を捉えて、すぐに視界は綺麗な紫でいっぱいになる。
唇にはあたたかな感触。
瞳を閉じると今度は啄ばむように。
「俺がどれだけ元気か教えてやるよ」
今までとは打って変わって悪戯に笑う彼に、今度は私が少し驚く。
「………バカ…」
呆れ顔で言ったつもりだけど、きっと真っ赤な顔してる。
満足そうにしているこの目の前の人との次のキスは
こころなしかさっきよりも長くて、甘くて、優しくて。
そして大好きな声で囁いてくれた
“愛してる…ミリアリア…”
END
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お誕生日おめでとうミリィ!!
もともとこのプレゼントのネタがたりたくて書いた文が思いの他長くなったんですけど、
今から思うとぶっちゃけ前の2頁はなくても問題ないっていうね…(苦笑)。
まぁミリ誕の前座みたいなものになってくれると嬉しいなぁ…と。
っていうか終始いちゃ付くだけのお話(死)。
いいよ、甘々サイトだし、管理人に文才ないし(色々諦めた…/汗)。
ミリィは末永くディアッカとお幸せにvv
ディアミリずっと大好きです!
<06,02,14><06,02,17>