*12*
今更こんなことを言ったところで
それはただの言い訳にしか過ぎない
この言葉は私の醜い自己満足だ
あなたへの行為は決して許されるものではなく
あなたを泣かせてしまうまでそれに気付かないなんて
なんて馬鹿なんでしょう
けれどもう
もはや引き返せはしないのです
ならばこれ以上
後悔なんてしたくない
せめてもの弁解を
あなたは聞いてくれる方だと知っているから
だからきっと最後の言い訳を言わせて下さい
最後にあなたの優しさに甘えさせて下さい。
「好きなんです。サクラさん…あなたのことが誰よりも」
「ハヤテ先…生…」
「だから…誰にもあなたに触れさせたくなかった…」
「あの…ハヤテせ…っんぅ」
彼女の唇を掠めた言葉を途中で奪う。
最後の一番優しい口付けで。
唇を離すと、サクラさんの瞳が見開かれていました。
「お願いですから、その“先生”っていうの止めてくれませんか?
何だか…距離が苦しいです。まぁ…もう会うことなどないでしょうけど…」
私にはあなたの前に再び姿を現す資格など…もうどこにも残っていないんですね。
それでも…最後くらいは私を、初めて会った頃のように呼んで欲しいんです。
「…ハヤテさん…」
待ち焦がれて、やっと聞く事の出来たその音に泣きそうになる。
ごめんなさい
ありがとう
さようなら
あなたを泣かせてばかりでも
あなたを想うこの気持ちだけは
紛れもない真実です
「ハヤテさん、最後なんかじゃ…ない…」
こんな私にそこまで優しくする必要なんてありませんよ。
最後にそう言って頂けただけで、もう十分です。
彼女の気持ちが、痛いほど嬉しい。
「そんなに優しくしないで下さい。私には…そうする権利などないんですね」
言いながら、肌蹴た着物の胸元を直して、私は彼女の上から身体を退ける。
退けようと…したのに
「!!?」
サクラさんの両手が私の顔を挟んだかと思うと、
突然訪れた唇への温かい感触。
それはほんの小さく触れるだけでしたけれど、確かに彼女の唇でした。
「サ…ッサクラさん!?何を…!!」
いきなりのことに、私は驚きを隠せない。
「…ハヤテさん…」
「私も…ハヤテさんが好きです」
「……え…?」
…何が…起きたのでしょう…?
「大好きです…私も、誰よりもハヤテさんのことが…」
目の前の愛しい少女の瞳は真っ直ぐ私を見ていて、
彼女の瞳に映るのは閉まりのない口元と目を見開く自分の姿
なんて情けない顔をしているのでしょうか…
「…私は血に染まっています。人を殺すことも厭わないような人間ですよ……?」
「ハヤテさんに纏う血を、私が洗い落としちゃ駄目ですか…?」
「あなたを………無理矢理…犯そうとした人間です……」
「私が悲しかったのは、…この想いが私だけのものだと思っていたから…」
サクラさんはいつものようにふわりと微笑んで、
他の誰でもなく
その笑顔は私に…私だけに向けられていました。
冷えた感情が…温かいものにどんどん侵食されていく…
「抱き締めても…いいですか…?」
そう言うと、彼女の方から腕の中へ飛び込んできました。
それをしっかりと受け止めて、強く愛しむように抱き締める。
「あったかいです、とても…」
ほんの少しだけ、視界がぼやけました。
ここで終わっていいですか?(いきなり何を言い出すんですか)
ここまでは割と順調に進んできた…つもり…なんですよ。
でもね、駄目です…もう駄目です…(滝汗)。
2人が両想いになった瞬間、話が急に甘くなる…ッ!!(殴)
甘々サイトだし、何度も最後は甘くなるかもって言いましたが、流石に
急に不自然に甘くなるのは…どうなんですか。
誰か文才ー分けて下さいー(泣/叫)
格闘しながらもまだもうちょっとだけ続きますので、最後までお付き合い下さると嬉しいです。