この小説は、長編ディアミリ小説「NEVER LOSE」の設定を引き継いだ内容となっています。
こちらの小説をお読みになる前に、「NEVER LOSE」を先にお読みになることをお勧めします。

 

 

 

 ☆LETS TAKE A PICTURE 〜NEVER LOSE続編仕様〜   管理人 流亜          

     トゥルルルルル…トゥルル…カチャ…

    「…ん…っ」

   ─何の音…?…電話?

  電話の音にミリアリアは目を覚ます。

  既に起きて身支度をしているディアッカがその電話に出ていた。

  ミリアリアは、ディアッカのにおいのする布団にうずくまり、

  まだはっきりしない頭でそのやり取りを聞いている。

   ─何喋ってるんだろ…なんか身体がダルイ。

  ガチャン

   「………」

   「…ん…ディアッカ…?」 

   「ああ…おはようミリィ、やっぱ起こしちまったか?」

   「電話…?こんな朝から…誰だったの…?」

  そう言いながらミリアリアが身体を起こす。

   「ああ…イザークからなんだけど、それが…」

   「…?…」

  ディアッカが電話の内容を告げる。

  とたんにミリアリアは、自分の顔に熱が集まるのが分かる。

  その様子を見ていたディアッカも、つられて頬に熱を溜める。

  彼女は大きすぎるディアッカのシャツをまとっており、その姿は、

  昨夜の二人を物語っているようだったのだ。        

   「…ま、そうゆう事だ。イザークもあいつなりに気を利かせたつもりらしいし、

    ここはお言葉に甘えようぜ?つーかそうしないと怒鳴られそうだし…。2・3日って

    いうからには?当然3日間だけどな!!」

  ニコニコとディアッカがミリアリアに笑いかける。

   「ったく!調子いいんだから!!」

  とはいうもののミリアリアも少し嬉しそうだ。

   「そういえばディアッカ…朝食は?」

  そう訊ねるとディアッカが満足気に言った。

   「実はさ、今日は俺が作ったんだ!!ミリィにそんな腕で料理させんの危ないだろ?」

   ─多分起きるの遅いと思ったし……。

   「ありがとう。私から言い出した事なのに…。でもディアッカ、ちゃんと食べられるの?」

  ミリアリアが悪戯っぽく笑う。

   「まあいいから食ってみろって!!」

   「ふふ…分かった」

  笑顔で言いながらベッドから床へ足を下ろす。 

    「あ、ミリィ立てる?」

   「…ばかっ、大丈夫よ……あ…」

  昨夜の情事を思い出し、顔を赤らめながら立とうとすると、案の定、

  ミリアリアはヘタリと再びベッドへ腰を落としたのだ。

   「やっぱりな…おいでミリィ」

  ディアッカが手を差し伸べ、少し拗ねたように彼女がその手を取ると、突然彼女の身体が

  宙に浮いた。そのまま彼らはリビングへと向かう。 

     「ちょ…ディアッカ!!…もうっ…」

   会話の調子はいつもと変わらないのに、互いのまとう空気は、いつも以上に温かい気がした。

  

   

    「なぁミリィ?今日何しようか。さすがに外に出るわけにもいかないだろ?」

  食事を終えて、何をするわけでもなく、一先ず着替えなどの朝の習慣をこなし、

  ディアッカがミリアリアに訊ねた。外に出られない…というのは、ディアッカの休暇の

  理由が理由であったからである。

    「うーん…特にないけど…ディアッカは何がしたい?」

    「ミリィのしたいことがしたい」

    「………もうっ!馬鹿っ」

  こういう会話は日常茶飯事である。ミリアリアも返ってきそうな言葉におおよそ見当が

  ついていたらしく、さほど照れたりはしなかったが、ディアッカがひどく嬉しそうに

  毎回言うものだから、彼女は少し悔しくなった。

  そんな時、昨夜机の上に置かれた自分のカメラがミリアリアの目に留まった。 

    ─そういえば私……

    「ディアッカ…」

    「何?何か思いついた?」  

    「ディアッカ…私…ディアッカの写真撮りたい…」

    「………へ…?」

    「だって私ディアッカの写真、一枚も持ってないもの。…ダメ…?」

  いいけど…と言いながら意表を突かれ目を丸くするディアッカは、普段あまり拝むこと

  は出来ない。それだけにミリアリアはなんとなく嬉しくなった。 

  そしてもう少し、彼女はそれを味わう。

     「ディアッカは何がしたい?」

     「…ミリィのしたいことがしたい」

    「私はあなたの写真撮影がしたい」

    「…俺はミリィに写真を撮られたい…?」

    「決まりね!!」

  形勢逆転。

  ミリアリアが上機嫌でカメラにフィルムをセットし、

  慣れた手つきでそれをディアッカに向けて構える。 

  それを見ていたディアッカが、あることを思いついて反撃に出た。

    「なあ、ミリィ…?」

    「ちょっと…あんまり動かないで…で、何?」

    「どうせならさ、一緒に写ろうぜ?そんで2枚現像して、お互いが1枚ずつ持つ!どう?」

    「………」

    ─…確かにディアッカ1人の写真もないけど、2人で写ってる思い出の写真も貴重かも…。

      それに何より…いつ何が起こるか分からないし…やっぱり手元に1枚は欲しい…。

    「ミリィ…そうしない?」

    「う…うん。あ、でもフィルムはせっかくたくさん余ってるんだし、まずはディアッカだけね?」

    「どうぞお好きなだけ」

  ディアッカは例の計画の為、笑顔で素直にミリアリアのしたいようにさせている。

    「…うん。これぐらいでいいかな?…ディアッカ絵になるから、ほんの1・2枚のつもりが

     ついついたくさん撮っちゃた…」

    「じゃ…ミリィ、おいでおいでっ♪一緒に撮るんだろ?写真」

  ミリアリアは返事を返しながら、カメラのタイマーをセットし、オート撮影に切り替える。

  カメラを机の上に置き、被写体の方へ向きを合わせ、

  そしてディアッカの座るベッドの端へ、彼の隣にちょこんと腰掛けた。

    「なんか自分が撮られるのって緊張する…」

    「…そう…?」

    「………っ!!!」

  突然ミリアリアの耳元で、……甘く低い声がした。

    ─…しまった…。

  ミリアリアがそう思うにも時既に遅し。その声の持ち主は、しっかりと彼女の腰へと腕を回していた。

    「ちょ、ディアッ…!?」

  ミリアリアの頬に、ディアッカが小さく音をたてる。

  

  チュッ

  カシャッ…

 

  まるでディアッカにはシャッターのおりるタイミングが分かっていたかのように、

  その行為はしっかりとフィルムに焼き付いてしまっていた。

  勿論彼女は耳まで真っ赤に染めている。

     「〜〜っ信じられない!」

     「俺とミリィで更に絵になっただろ?」

     「ぜ…ぜ…前言撤回っ!!」

  飄々と恥ずかしげもなく言ってのける彼に、口をぱくぱくさせていると、

  今度は彼女の唇に音をたてられた。

  その音が余計に彼女を恥ずかしくさせ、もはやミリアリアのドキドキが、

  ディアッカにも聞こえてしまうのではないかと思うほど高鳴っていた。

     「ちょっと…っ!!…んっ」  

     「…写真、出来たら見せてな?」

  ミリアリアはディアッカからのキスから逃れようと、身体を反らせるがディアッカに腰を

  支えられている為、へたにバランスを崩してそのまま後ろへ倒れこむ。

     「もうっディア…くすぐった…っ…」

     「作戦成功♪」

  一方彼はと言うと、まんまと自分の作戦にはまったミリアリアを可愛く思い、

  クスクス笑いながら彼女にキスの雨を降らす。

 

  この日から、ミリアリアの小さな戦いが始まるのだった。    

 

                                     END

 

 

  おまけ<数日後>

     「ミリィ!!あの写真現像出来た?」

     「んなワケないでしょバカ―ッ!!

 

 

 

  

  ああ…何じゃこりゃ(爆)。すみません文才なくて…でも書きたかったんですよ甘々が(笑)。

  ぶっちゃけいっぱい考えてたんですよね、彼らの3日間を。でもまぁ終わったものをダラダラやっても

  仕様がないのでこれ一つに絞ったんですが…絞ってコレって…(泣)。

  そのうち性懲りもなく没ったネタを形にしていけたら…とか思ったりなんかしたりして(苦笑)。

  <2005,10,31>