MEMORY

管理人 流亜

この世の総てのものは、脆く存在し、きっといつかは消えてしまう。

曖昧な僕の記憶の中で、誰かが、そう言った。

本当に?

例えば…この気持ちも?

 

母さんが死んでしまう…。

僕の大好きな人。

母さんがいたから、僕はあんな所にいた。

なんて僕らしくないんだろうな、笑っちまう。  

 

どうせ消えて無くなるなら、大事なものはいっそ僕の手で消してしまえばいい。

僕の知らない所で勝手に失うよりはよっぽどいい。

だってそうだろ?

お前はあいつのもとへ行くんだろ?

僕はお前を知らなくなるかもしれない。

畜生。だのに何でなんだよ。

こんなに悲しくて納得できねぇのは。

やっぱりアレだ。

母さんを失うのと同じくらい、

お前を失うのが怖い。

 

 

 

ひどく怯えた僕に、女の子が何かを囁き掛けてくる夢を見た。

僕の名前を呼んで、内容なんてほとんど覚えちゃいないけど、

そんなの気にすることは無い。いつものことだ。

だけど女の子が最後に言った言葉は、珍しくも鮮やかに脳に刷り込まれ、

か細くも意志を湛えたその声音は、僕を落ち着かせるには十分だった。

…「護る」と…

 

 

 

お前は一体誰なんだよ?

夢から覚めた僕の第一感想。

僕を安心させるのかと思えば、なんだかイライラもさせる。

普段となんら変わらない日々をこれから送るはずなのに、

何か大事な大事な存在を置いてきてしまったような焦燥感。

むかつく。もやもやする。

なんなんだよ。

思い出せねーけど、母さんとは声も姿も違う。

綺麗な金髪に白い肌。服はピンクだったか、水色だったか…。

くるくる踊って、目ぇ回らねぇ?お前バカなんじゃねーの?

そんな風に考えたってこと自体、

なんとなく懐かしく思えて、

なんとなく悲しくなって、

なんとなく納得いかなくて、

 

…なんとなく泣きたくなった。

  

 

「………バカみてぇ………。」

                   

 

END

                                                      

 

 

 ステラがミネルバで保護されていた辺りの話です。
相変わらず意味不明な文で申し訳ないです…(滝汗)。