愛藍傘 管理人 流亜
「はぁ、やっと終わった…。」
ホークアイ中尉に言われた仕事を、グチグチぼやきながら、
やっとのことで片付けたロイが言った。
「おや?」
ふとロイが窓に目をやると、ポツポツと雨が降り始めていた。
「良かった…今日は珍しく傘を…」
そこまで言うと突然、さっき自分よりも先に帰宅した、
ホークアイ中尉のことを思い出した。
確か彼女はこう言ったのだ。傘立てに掛けてある、一つの傘を指差して。
*
『大佐…今日は雨は降りませんよ?傘なんて持って来ても…。』
『いや、今日は降る!そんな気がするのだ。』
『はぁ…そうですか…それより仕事、ちゃんと終わらせて
帰って下さいね。』
*
「まさか!!!!」
そう言い終わらない内に、ロイは急いで外へ出た。
勿論、手には傘を持って…。
*
「リザ!!」
案の定、彼女は小さなお店の前で、雨宿りをしていた。
「大佐!?」
必死な面持ちで駆けて来たロイにあまりに驚いた彼女は、
雨の降るのも忘れて、ロイの元へ駆け寄った。
「どうしたんですか!?何かあったんですか!?」
真面目な彼女らしい…。
「君が…雨に困ってるんじゃないかと思って。」
微笑みながらそう言ってロイは、自分の傘の中へ彼女を引き寄せた。
「……」
一瞬緩みかけた顔を、慌てていつもの顔に戻した彼女の頬には、
まだ赤い名残を残していた。
そして彼女はそれを、雨に濡れた傘にそっと隠した…。
END
生まれて初めて書いた小説がコレ…(汗)
進歩してないのが丸分かり。ひぎゃーーっ!!