君色想い











ささやくようなディアッカの声は夢の中ではやけにリアルでミリィは溜息をつく。何故、今更彼の夢など。
いつものふざけた様子なら聞き流す事が出来たのに、ともう一度溜息をつけば自然とその日の事を思い出した。


とつぜん告げられたディアッカのアメリカへの移住。忙しく働く彼の父親の仕事の為だと後になって教えられた。
かれはアメリカへ行く事を最後まで拒んでいたようだがあの頃の自分達は一人で生きていくには幼すぎた。
『いつか――・・・』
せみの鳴く声がか細く聞こえる。夏にあれほど生を主張した彼等はいつの間にか秋に追われていたらしい。
つまらない冗談なのだ。きっと。本気にする方が間違っている。あれから、何年もの月日が流れたと言うのに。



「おーい、ミリィ!」


めのまえにある窓の向こうから確かに聞こえた声にミリィは息を詰まらせ、あわてて窓をあける。この、声は。

「ディアッカ君、無事に帰還です」
「とうぶん・・・帰らないんじゃなかったの?」

うるみ出す瞳と震える声を抑えるように居るはずのない彼に少し強めの目線で言えばディアッカが力無く笑う。
「ごめん、5年間も待たせて」
ざわめき出した心臓を押さえ気が付けばミリィは自室から駆け出していた。


『いつか、迎えに行くから――。』


まっていてくれ、と言った彼のあの日の言葉を思い出す。あの、約束は冗談ではなかったのだ。
すまなさそうに笑う彼の顔が目に浮かぶ。その笑顔はきっと、あの日のままだ。







おかえりなさいを言おう。
そして迎えに来てくれてありがとう、と。
まっていたと言っても良いかもしれない。
つづいて行く二人の道は、今ひとつに繋がるのだ。
さきほどまでの暗い気持ちが嘘のように心が晴れ渡る。彼の声を、聞いただけで。
まだ見えない未来とディアッカの笑顔を思い浮かべ、ミリィは駆ける足を早くした――。












--------------------------------------------------------------------
サイト開設おめでとうございます!
なんかぐだぐだな文になってしまって申し訳ありません。
限られた文字の中から文章を考えるのは思ったよりも大変でした(笑)
あとディ、ディアッカの出演少なくてすみませ・・・!
何はともあれ本当におめでとうございます!
一緒にサイト運営頑張りましょう!


サンゾロサイト『
Yellow&Green』の管理人様で、友人のニチカ様から当サイト開設祝いに頂きました。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、この小説にはカラクリがありましてですね、
文頭の文字を上から縦に読んでいってみて下さい!!
お分かりでしょうか?なんと“サイト開設おめでとうございます おそまつさま”となっているんですよ!!
すごくないですか!?これだけでいかにニチカ様が素晴らしい文才の持ち主か
お分かり頂けたのではないでしょうか。
いつも管理人のツボを貫いてしまうニチカ様には感服いたします。
これからも宜しくお願いしますね。
本当に有難うございました。



 ニチカ様のサイトへは、当サイトのリンク頁からも行けます。
 尚、こちらのサイトは当サイトとはジャンルが異なりますので、訪問の際には失礼のないようお願い致します。